デザイナー必見!金色特色を使った印刷テクニック

デザイナー必見!金色特色を使った印刷テクニック

お客様から金色の特色について「出来ますか?」といった内容や、「データの作り方を教えてください」などのお問い合わせをよくいただきます。

なので、今回は金色の特色について詳しくご紹介したいと思います。データの作り方やワンポイントテクニックなど、金色の特性を学び使いこなせるようになれば、表現の幅も広がり存在感のある印刷物を作れるようになります。

金色特色データの作り方

グラビティは金色特色データに「DIC620」を使用します。

※DIC(ディック)とはCMYKの標準色とは異なる特別なインクを使用した、DICグラフィック社(旧大日本インキ)で製造されているインクの事です。特色と呼ばれ、通常のフルカラーだけではなく、金や銀または蛍光など沢山の種類の色が用意されています。今回は金色印刷の回なのでDICカラーの説明は省きますが、いずれDICカラーについても詳しく解説したいと思います。

DICカラーデータを扱う際は、スウォッチパネルより『DICカラーガイド』を選びます。(図1参照)『DICカラーガイド』には金色以外にも様々なカラーがあり好きな色を選ぶ事ができます。

DICカラーガイドが開きましたら、その中からDIC620を選択します。(図2参照)画面上では黄土色で表示されていますが、この部分が金色で印刷されます。

上の写真は実際に印刷されたデータです。背景とメダルを金色印刷にしています。金箔のような光沢感のある金とは違い、パール調の落ち着いた雰囲気に仕上がります。

金色はグラデーションでも表現出来ますが、あまり綺麗に階調を表現できないので、なるべくなら写真の見本のように100%ベタで使用することをオススメします

金色とCMYKカラーの掛け合わせについて

金色はCMYKなど他のインクとデータ上で掛け合わせることができません。なので基本的には単色での使用となります。

だけど、「どうしても掛け合わせて利用したい」と言う方のために裏技をご紹介します。

金色の上にCMYKの色を重ね、そのCMYKのデータを選択した状態で、「ウインドウ」→「属性」の「塗りにオーバープリント」にチェックを入れます。そうするとCMYKのデータが下の金色と混ざるようになるので、掛け合わせができるようになります。

上の図の左側のイラストをご覧ください。背景に金色を使用しています。そして金色の上に黄緑のグラデーションをのせて「オーバープリント」にチェックを入れています。

チェックを入れる事で、黄緑のグラデーションが下の金色と混ざり合い、右側のイラストのように金と黄緑を掛け合わせた作品となります。

※上部メニューの表示から「オーバープリントプレビュー」を選択いただくと、オーバープリントされている部分が擬似的に金色と掛け合わされて表示されます。図の右側のイラストです。

上の写真が実際に印刷した金色のサンプルです。黄緑がいい感じにグラデーションで金に混ざり合い、深い緑色となって和の雰囲気にマッチした作品になりました。

ただ特色とCMYKの掛け合わせは「オーバープリント」を使用して行いますが、印刷会社によっては対応していない場合もあります。なので、必ず掛け合わせの印刷が可能かご注文する印刷会社と相談と確認をしてください。グラビティでご注文いただく場合も必ず事前に確認してください。

また大丈夫となった場合にも、こちらからの「オーバープリント」の指示がなされていないと、見過ごされてそのまま印刷されてしまう事もありますので、入稿の前には色の指示と、完成イメージを伝えておく必要があります。

まとめ

金色印刷のデータ制作方法についてはお分かりになりましたでしょうか? この方法は金色以外にも、銀色や蛍光色などでも応用できます。

金色はゴージャスに見せるだけではなく、和の落ち着いた雰囲気にも、POPな作品のアクセントにもなる万能の色です。是非利用してみてください。